リスク許容度が高い人は、株式一本でもよいかもしれませんが、オルカンやS&P500だけではリスク分散に一抹の不安がある人は必見の記事です。
不動産に興味がある人もない人も、これを読めばJ-REITに興味を持つかもしれません。そんな魅力たっぷりなJ-REITに関して、ご紹介していければと思います。
対象読者
- 株式以上の利回りの高い分配金を得たいと思っている人
- 株式以外にリスク分散商品を持ちたいと思っている人
- 不動産投資に興味がある人
J-REITとは?
J-REIT(日本の不動産投資信託)は、不動産に投資するための金融商品で、複数の投資家から資金を集め、それを元にオフィスビルや商業施設、住宅などの不動産を購入・運営し、そこから得られる賃料収入や売却益を分配金として投資家に還元する仕組みです。株式のように証券取引所で売買が可能であり、不動産への間接的な投資手段として人気があります。
具体的な仕組みとして、投資法人が資金を集め、不動産の取得や運用を行います。不動産の運営は外部の資産運用会社が担当し、収益の管理や物件の運営を行います。投資家は、不動産市場全体の動向にアクセスしながら、分散投資の恩恵を受けることができます。
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不動産投資と不動産投資信託の違い
直接不動産投資では、個人が不動産を購入し、賃貸や売却を通じて収益を得ます。一方、不動産投資信託(REIT)は、多数の投資家が出資することで不動産を所有する間接的な投資手段です。
違いのポイント
- 資金規模: 直接投資は高額な初期費用が必要ですが、J-REITは少額から投資可能です。
- リスク分散: J-REITは複数の物件に分散投資するため、リスクを抑えられます。
- 運用負担: 直接投資では運営管理が必要ですが、J-REITでは専門家が行います。
- 流動性: J-REITは株式市場で売買可能で、直接不動産投資よりも流動性が高いです。
ミドルリスク・ミドルリターン
J-REITは、株式やFXなどのハイリスク投資と比べてリスクが低く、債券や預金と比べると高いリターンが期待できる”ミドルリスク・ミドルリターン”の投資商品です。
リスクを抑えつつリターンを得られる理由
- 安定収益: 賃料収入は景気に左右されにくく、安定的な収益源です。
- 分散投資: 一つの物件に集中するリスクを分散する仕組み。
- 市場規模の拡大: 不動産市場の需要拡大がリターン向上の一因となります。
利回りの高さと分配金
株の配当金との比較
J-REITの分配金利回りは平均して3~5%程度と、株式の配当利回り(約2%)に比べて高いのが特徴です。下図は直近10年間の分配金利回りです。
NISAの成長投資枠で個別銘柄も購入可能なため、分配金が非課税になり更に魅力的です!
法人税免除の特徴
J-REITは利益の90%以上を分配金として投資家に支払うことで、法人税が免除されます。これが高い分配金を実現する仕組みです。
毎月分配金を得ることも可能
投資法人ごとに決算月が異なるため、異なる銘柄を組み合わせることで、毎月分配金を受け取ることも可能です。概ね半期ごとに決算があるため、決算月の異なる6銘柄を組み合わせることで実現可能です。
参考:J-REIT銘柄一覧
デメリットは?
キャピタルゲイン狙いは厳しい
株式と比較すると、J-REITは価格の値上がり益(キャピタルゲイン)が小さく、配当利回りが主な収益源です。
様々なリスクについて
- 市場リスク: 金利上昇や景気後退の影響を受ける。
- 物件リスク: テナントの退去や賃料減額のリスク。
- 自然災害リスク: 地震や台風などによる不動産の被害リスクがあります。
- 上場廃止リスク: 上場廃止になった場合には、取引が著しく困難になる可能性があります。
- 運営に関するリスク: 一般の法人と同様に、倒産するリスクがあります。
一部は株式でも同様に発生するリスクなので、J-REITに限ったリスクではありません。
J-REITに向いている人の傾向
J-REITは以下のような投資家に向いています。
- 安定収益を求める人: 株式よりも安定した分配金を得たい人。
- リスクを抑えたい人: 分散投資により、現物不動産投資よりもリスクを軽減できる。
- 長期投資を志向する人: キャピタルゲインよりも、長期的な収益確保を重視する人。
- 不動産に興味があるが高額のため諦めていた人: 現物不動産と比べて、圧倒的に初期投資資金が少なくても投資を始められる。
- 不動産に興味があるが運用管理は避けたい人: 不動産運営の負担を自分では負いたくない人 or 負えない人。
個別銘柄と投資信託・ETFの選択肢
J-REITは個別銘柄を購入するだけでなく、投資信託やETFを通じてより分散された形で投資することも可能です。
注意点
個別銘柄を購入する場合は、特定の物件やセクターへの偏りがあることを理解し、リスクを抑えるための分散を心掛けてください。一方、投資信託やETFは専門家が運用を行うため、初心者にもおすすめですが、手数料が発生する点を考慮しましょう。総じて信託報酬が高い傾向にあるため、個人的には個別銘柄を推しますが、投資は自己責任ですのでよく検討されたうえで購入を決めてください。
購入時のポイント
- 投資する商品が自分の投資目的に合致しているか確認する。
- 手数料や運用コストを考慮する。
- 銘柄やファンドの運用実績を事前に調べる。
個別銘柄と投資信託・ETFの違いを理解し、自分に合った商品を選ぶことで、効率的な資産運用が可能になります。ただし、個別銘柄の1口当たりの金額は安くて5万円ほど、高いものは50万円ほどするので、よく確認することも重要です。
どんな不動産に投資しているか
J-REITが投資する不動産の種類は以下の通りです。
- 住居: 安定収益を見込める。
- オフィス: 都心部の需要に支えられる。
- ホテル: 観光需要に依存。
- 商業施設: 景気に影響されやすい。
- 物流施設: EC市場の成長で注目。
- ヘルスケア施設: 高齢化社会で需要拡大。
地域別では、都心5区が約30%、東京23区(都心5区除く)が約15%、関東(東京23区除く)が約25%、近畿が約15%、中部・北陸が約5%、九州・沖縄が約5%、その他5%の割合で構成されています。
特化型、複合型、総合型の特徴
種類 | 特徴 |
---|---|
特化型 | 特定の不動産セクター(例: オフィス、物流施設など)に集中投資。高い専門性を持つ。 |
複合型 | 複数のセクターに分散投資するが、比重は一部のセクターに偏る傾向がある。 |
総合型 | 複数のセクターに均等に分散投資。リスク分散が徹底されており、安定性が高い。 |
各投資法人のHPでポートフォリオが確認できること
例えば、日本ビルファンド投資法人の公式サイトでは、保有物件の詳細情報や分配金実績、運用方針が確認できます。他の投資法人の公式サイトも似た構成で、ポートフォリオや財務情報を容易に確認できます。
具体的には
- 物件リスト: 地域や物件タイプ別に確認可能。
- 財務情報: 最新の運用実績や収益状況を把握可能。
- IR資料: 投資判断に役立つ詳細な情報を提供。
まとめ
J-REITは、不動産に間接投資できる手軽な金融商品であり、安定した分配金と高い利回りが魅力です。一方で、リスクも理解し、自身の投資目標やリスク許容度に合った商品を選ぶことが重要です。公式サイトや専門情報サイトを活用して、情報を収集しながら賢明な投資を行いましょう。
参考にさせていただいたサイト紹介
J-REITについて、誰にでも非常にわかりやすく説明しているJ-REITの教科書があるのでご紹介させていただきます。
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