今年の春に新居が建ち、来年初めて住宅ローン控除を受けます。
そこで、よく節税だなんだと言われている住宅ローン控除と個人的に苦い思い出のあるふるさと納税について語っていければと思います。
対象読者
- 持ち家を所有していて住宅ローン控除を受けている人
- 持ち家を検討していて住宅ローン控除を受ける予定がある人
- ふるさと納税を行っている人
- ふるさと納税を行おうと検討している人
- 節税に興味がある人
概要は簡潔に説明しますので、厳密さには欠けていますこと、予めご了承ください。
住宅ローン控除
正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。
控除率と期間
✅ 控除率:年末の住宅ローン残高の0.7%
✅ 控除期間:最長13年間(新築住宅・買取再販住宅)または10年間(既存住宅)
借入限度額
✅ 長期優良住宅・低炭素住宅:4,500万円
✅ ZEH水準省エネ住宅:3,500万円
✅ 省エネ基準適合住宅:3,000万円
子育て世帯・若者夫婦世帯への拡充
✅ 19歳未満の子がいる世帯または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
✅ 借入限度額が通常より500万円~1,000万円高く設定
省エネ基準の要件
✅ 2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準を満たさないと控除対象外
✅ 例外:2023年中に建築確認を受けた場合や2024年6月30日までに工事完了の場合
適用条件
✅ 住宅ローンの返済期間が10年以上
✅ 床面積50m²以上(一部例外あり)
✅ 合計所得金額2,000万円以下
その他の住宅
✅ 2024年以降、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は原則控除対象外
ふるさと納税
自分の選んだ自治体に寄附を行うことで、所得税と住民税から税金が控除される制度です。
しかし、注意が必要です。
ふるさと納税は実質的には節税にはなりません。
なぜかというと、ふるさと納税の仕組みは、寄付金額から2,000円を引いた額が所得税と住民税から控除されるのですが、それはつまり、寄付金額とほぼ同額の税金が控除されるだけで、実質的には税金の前払いにすぎません。
ふるさと納税をしても、支払うべき所得税・住民税の総額そのものは減少しません。
ふるさと納税って、節税効果があるものだと思ってました……
残念ながら節税ではないんだよね……。でも、ちゃんとメリットもあるよ!
おお!どんなメリットですか?✨
メリット
✅ 寄付額の最大3割相当の返礼品を受け取ることができます。
✅ 2,000円の自己負担で返礼品が得られるため、金銭的には得をする仕組みになっています。
返礼品がいっぱいあって迷っちゃうな~!
寄付額の上限
年収や家族構成によって寄付額の上限が決まっています。
こちらは、ふるなびさんの寄付額上限シミュレータです。
簡単シミュレーションと詳細シミュレーションの両方が試せるので、さくっと知りたい方は簡単シミュレーションを。
厳密に知りたい方は詳細シミュレーションを選んで試すことができます。
仮に、年収500万円、配偶者ありで簡単シミュレーションをすると、実質負担2,000円で行える控除上限額の目安は46,000円です。
46,000円分の寄付額となると、ものにもよりますが、大体4つの自治体に寄付することが可能です。
申込期限
ふるさと納税の寄付額は1月1日にリセットされます。
つまり、1月1日から12月31日までの1年間に行った寄付が、その年の控除対象となります。
例えば、2024年1月1日から12月31日までに行った寄付は、2024年分の所得税控除または還付と2025年度の住民税控除に反映されます。
確定申告
✅ 原則として確定申告が必要です。寄付金控除という種類です。
✅ 給与所得者は「ワンストップ特例制度」で確定申告を省略可能(寄付先が5自治体以内)
ワンストップ特例制度は、オンラインですべて手続きが完了してとても便利です。
しかし、翌年に医療費控除などを別途確定申告をする場合は、ワンストップ特例申請で行った手続きが無効になり、寄付金控除の確定申告が必要になりますので注意してください。
実際に私もやらかしてしまいました……
住宅ローン控除とふるさと納税の併用
住宅ローン控除とふるさと納税は、併用可能です。
ただし、場合によっては住宅ローン控除を最大限享受できない可能性があります。
これは、優先順位的にまず、ふるさと納税の控除額が引かれた後に住宅ローン控除額が引かれるためです。
住宅ローン控除は還付金が受け取れる?
結論から言いますと、還付金は受け取れます。
ここで一度、還付金と控除の定義について整理しておきます。
- 還付金:税金を納めすぎた場合に返還されるお金のこと。後日、キャッシュとして口座等に振り込まれる。
- 控除:税金を計算する際に特定の金額を差し引く制度のこと。あくまで税金から引かれる金額。
例えば、住宅ローン控除が21万円(住宅ローン残高3000万円を想定)、所得税が8万円、住民税が11万円だとします。(敢えてキリの悪い数字を使っています)
この場合、控除額=還付金となり、確定申告または年末調整のあとに所得税分の8万円がキャッシュで戻ってきます。
しかし住宅ローン控除額の元は21万円なので、21万円 – 8万円 = 13万円が残ります。
この残りの13万円を翌年度の住民税から減額することができるのですが、ここも上限が決まっており、9.75万円が最大です。では、13万円 – 9.75万円 = 3.25万円はどうなるのか、というと、残念ながら失効します。
つまり、住宅ローン控除が最大限享受できていない、ということです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
私自身、なんとなく理解していた住宅ローン控除とふるさと納税の恩恵でしたが、整理すると透明性が増しました。
皆さんの頭の整理に、少しでもお役に立てていれば幸いです。
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